外径の細い針の使用経験(30、33、34ゲージ)

外径の細い針の使用経験(30、33、34ゲージ)

近年導入が進む30G・33G・34Gという「極細針」の臨床使用経験について、コラーゲン、ヒアルロン酸、ボツリヌストキシンなどの注入治療に関わる薬剤であり、部位ごとに皮膚の厚みに応じて針径を選定する必要がある。

従来の針との比較

従来は27Gや30Gの針が標準的に用いられてきたが、JBP製ナノニードルシリーズでは、内径を確保しつつも外径がより細い針を使用することができるため、治療後の痕が目立ちにくいという利点がある。

針の太さの比較

針サイズによる傷跡の比較

キシロカインEを用い、23G・27G・30Gの針で皮内注射した直後の皮膚反応を比較。細い針ほど跡が目立ちにくい傾向がある。

針サイズによる傷跡の比較

極細針を使用した症例

実際の症例比較では、同一患者において左右で30Gと34Gの針を使い分けた結果、極細針の方が治療直後の皮膚反応が軽微であった。

30G使用(16カ月後)

34G使用(16カ月後)

30G使用(4カ月後)

34G使用(4カ月後)

各種針の流量方法(性能比較)

各種針を用いた注入時の圧力(N)を定量的に測定した流量試験では、JBP製34G針がDentronics社32G針よりも低い圧力で注入できるという結果が得られた。これにより、極細針でも実用的な注入が可能であることが示された。

まとめ

  • 注入治療の針痕は注入針が細い程目立たない
  • 従来用いていた27G,30G等の針と比較してJBPナノニードルは内径が大きいため30G,33Gの外径が細くても十分な注入が可能
  • 従来の32G針よりもJBP34G針の方が注入抵抗が少ない

1952年(昭和27年)12月29日、長野県木曽福島町に生まれる。1967年(昭和42年)4月に長野県上田高等学校へ入学、高校在学中の1970年(昭和45年)8月から1971年(昭和46年)7月までアメリカ合衆国マサチューセッツ州ミルトン・アカデミー高校へ留学、同年7月に卒業した。1972年(昭和47年)3月に上田高等学校を卒業後、同年4月に東京大学理科三類へ進学。東京大学では医学を専攻し、1979年(昭和54年)3月に東京大学医学部医学科を卒業。

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