多汗症治療(ボトックス注射)の解説。何科に受診すればよい?

多汗症治療

治療方法(施術内容・治療について)

  • 現在の標準的な多汗症治療は、薬剤を使って強制的に発汗作用を止める治療です。
  • 病院や皮膚科などでボツリヌス毒素(ボトックス)という薬剤を患部に注射することで、発汗を抑制することができます。
  • 以前は外科的手術を行っていましたが、ボトックス注射で行う治療はダウンタイムがほとんどなく、治療後すぐに普段と同じ生活ができるため、多汗症の治療は現在、ボトックス注射が主流となっています。
  • 多汗症の発汗のメカニズムは、視床下部の指令が交感神経の末端に届くとアセチルコリンという神経伝達物質が放出され、そのアセチルコリンがエクリン汗腺の受容細胞と結合すると発汗が促されてその結果汗が出ます。
     
  • ボトックスは神経末端に結合してアセチルコリンの放出をブロックする作用があります。発汗を促すためのアセチルコリンがブロックされることで、発汗が抑制されることになります。

効果

ボトックスを注射することで、強制的にエクリン汗腺からの汗を止めることができまので、温熱性、精神性など確実に汗を抑制することができます。

効果の持続期間は3ヵ月~半年と言われていますが個人差や発汗レベルに応じて幅が大きく異なり、1年以上効果が続く方もいらっしゃいます。

通常は効果が切れると汗が出るようになり多汗症の症状が現れてきますが、気になったら再度ボトックスを注射することでいつでも汗を止めることができます。

デメリット

6ヵ月くらいでボトックスが神経端末から外れると発汗の抑制力が無くなります。そのため、一度の治療で永久的な効果が得られることはありません。

効果を持続させるためには、定期的な治療が必要です。

腋臭症タイプのアポクリン腺から出る汗はボトックスでは止めることはできません。そのため脇だけの部位に限らず、人によっては思ったほどの効果が出ない場合もあります。

また、ボトックスは筋肉の動きを抑制する作用もあるため、特に手のひらの手汗治療後は違和感が強く、動かしずらい動作が出てきます。ピアニストや手を使って細かい作業をする方には向かない場合もあります。

ボトックスを注射する際、脇などと比べて手のひら、足の裏は感覚神経が敏感なため、他の部位に比べ手足は痛みを強く感じます。

最近は痛みを軽減できる器械を使って注入する方法が出てきました。器械の治療は針を使わず圧力を使い一瞬でボトックスを皮膚の中へ注入するため痛みが少ないようです。

基本情報

施術時間30分
麻酔・麻酔方法表面麻酔 or 神経ブロック麻酔
通院日注入/補正(補正チェック期間を1か月設けております。期間内であれば再診料で追加注入が可能です)
通院回数2~3回
抜糸ありません
入浴当日から
洗顔・化粧当日から
ダウンタイム手のひらや足の裏は治療後しばらく違和感が出ることがります。

針痕はほとんど目立ちませんが、稀に内出血が出る場合がありますが、1~2週間で消えていきます。
保険適応適応外
注意事項施術当日は患部を安静に。強くこすったりマッサージは数日控えてください。

感染予防ため、ハンドクリームや液状のものは数時間経過してからご使用ください。
料金を見る

よくある質問

手のひらの注射はすごく痛いと聞きましたが、麻酔をしてから治療してもらえますか?

手のひらや足の裏は痛みに敏感な場所のため、麻酔をせずに針を刺すことは苦痛を伴いますので、必ず麻酔をしてから治療を行います。
手のひらや足の裏は皮膚が厚いため、表面麻酔では痛みを十分に抑えることができません。当院では神経ブロック麻酔を推奨しています。
刺激神経や感覚神経などを麻痺させる神経ブロック麻酔をすることで痛みを感じることなく治療を受けることができます。

多汗症治療が出来る部位はどこですか?

多汗症は頭から足の裏まで全身治療が可能です。

自分が多汗症なのかがわかりません。チェックや目安となる多感レベルを知ることは出来ますか?

多汗症かどうかは、シャツの脇の部分の汗シミが多いかどうか。掌を握ると冬でも汗が出てくるなどです。

足の裏に汗をかく場合は、どこにボトックスを注射するのですか?

発汗を止めるためには、汗が出る場所に直接注射をします。手のひらはの場合は手のひらに、足の裏も足の裏の汗が出ている場所を確認し、その場所に注射をします。

ワキの汗を止めると、他からの汗が増えると聞きましたが本当ですか?

ボトックス注射を打った(薬剤が浸透した)場所しか効果がありません。注射を打っていない周りからは変わらずに発汗するため、汗をかかない場所と汗をかく場所の対比で汗が増えたと感じる方もいらっしゃるようです。

多汗症とはどういったもので、どのような原因があるのでしょうか?

多汗症とはエクリン腺から過剰に発汗する症状のことで、汗腺がある全身に発生する可能性があります。発汗の作用は体温調節のための温熱性の発汗、緊張やストレスを感じた時の精神性の発汗があります。

多汗症は自力で治るものでしょうか?

主に精神的興奮や感情的刺激が原因で発汗するため、自然に治ることはありません。

多汗症治療のリスク、副作用を教えてください。

ボトックス注射で発汗を抑制する場合、ボトックスには筋肉の動きを抑制する作用があるため、特に手のひらの手汗治療後は違和感が強く、動かしずらい動作が出てきます。ピアニストや手を使って細かい作業をする方には向かない場合もあります。

多汗症治療の持続時間を教えてください。

ボトックス注射で発汗を抑制する場合、効果の持続期間は3ヵ月~半年といわれていますが、個人差や発汗レベルに応じて幅が大きく異なり、1年以上効果が続く方もいらっしゃいます。

多汗症治療は通院が必要ですか?

ボトックス注射で発汗を抑制する場合は個人差がありますが、3ヵ月~半年で発汗の抑制力が無くなります。効果を持続させるためには定期的な治療が必要です。

市販の多汗症治療薬と病院の治療の違いを教えてください。

市販の制汗剤などで多少は抑えることができますが、大量の汗への効果は小さく、多汗症の症状は専門的な治療が必要なことが多いです。ボトックス注射の治療では、強制的にエクリン汗腺からの汗を止めることができますのでかなり確実に汗を抑制することができます。

手汗をかかなくしたいのですが多汗症治療は可能でしょうか?

ボツリヌス毒素(ボトックス)という薬剤を患部に注射することで、発汗を抑制することができます。

汗かきで特に脇汗がすごいです。多汗症治療の施術時間はどのくらいですか?

30分程度です。当院では、手汗には神経ブロック麻酔を推奨しておりますが、表面麻酔をご希望される場合、クリーム状の麻酔を30分程塗布してから注射を行いますので、40分前後の施術時間となります。