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眉間のシワは、怒っていないのに険しく見えたり、疲れて見えたりして、気になる部位です。眉間のシワが気になって、ボトックスを眉間に注射したのに、「表情が不自然になった」「思ったより効果がない」「目が小さく見える気がする」など、施術後に不安が出てくる場合があります。
眉間のシワはふと鏡を見たとき、怒っていないのに険しく見えたり、疲れて見えたりして、「老けてみえる」など気になる部位です。眉間のシワは表情の癖や、紫外線や加齢による皮膚の変化、生活習慣などによって目立ってくるようになります。
眉間のシワができる大きな要因は「表情のクセ」です。
眉間には眉を内側に引き寄せたり、眉間を寄せたりする筋肉があり、動くたびに皮膚が折りたたまれます。眼鏡やコンタクトの度が合っていない、ドライアイ気味、強い光がつらい、長時間のPC作業などで目が疲れる、ストレスや集中で緊張が続くと眉を寄せるなどで目を細める(すぼめる)ようになると、眉間に力が入るようになります。無意識に目を細める癖が繰り返されると、眉間の皮膚に折れ目がつきやすくなります。繰り返すうちに真皮層まで刻まれた「定着ジワ」なります。
紫外線の影響は日焼けだけではありません。長期間にわたって紫外線を浴びることで起こる「光老化」が、眉間のシワを“定着ジワ(刻まれた深いシワ)」”にします。
光老化とは肌の奥(真皮)で起こるダメージです。真皮には、ふっくらしたハリやしなやかさを支えるコラーゲンやエラスチンがあります。これらが傷ついたり変性したりすると、皮膚全体の“復元力”が低下します。復元力が落ちた肌は、眉間を寄せたときにできる折れ目が消えにくくなり定着するようになります。
光老化を引き起こす紫外線にはUVAとUVBがあり、それぞれ作用の方向が違います。UVAは波長が長く、日常の中でじわじわ肌にダメージを与える紫外線で、真皮まで影響が及びます。UVAが積み重なると、肌の奥の構造が傷つき、ハリがなくなりシワが深くなってきます。UVBは肌の表面(表皮)に強く作用しやすく、赤みやヒリつきなどの炎症を起こすタイプです。炎症が繰り返されると、肌のバリア機能が乱れて水分が蒸発して乾燥状態が慢性化します。乾燥した肌は表面が硬くなり、眉間のシワがくっきり見えるようになります。
若々しい肌は、真皮にあるコラーゲンとエラスチンが土台となっているため、表情で皮膚が折れても元に戻りやすい状態です。しかし年齢を重ねると、この支えが少しずつ弱くなっていきます。コラーゲンやエラスチンが減ったり、質が変化したりすると、真皮の骨組みが脆くなり、肌のハリや弾力が低下し、たるみやシワを引き起こすようになります。
さらに、表情筋の動きでできた折れ目も戻りにくくなります。折れ目が重なる回数が増えることで、無表情のときでもシワが残るようになります。
肌の水分を保持するセラミドやヒアルロン酸が減少すると、肌は極度の乾燥状態に陥り、表面が硬くなる(ごわつく)という悪循環に陥ります。肌のしなやかさや柔軟性が失われた皮膚は、眉間のシワが「くっきり」と刻まれる大きな原因となります。
コラーゲンなどを作り出す真皮にある線維芽細胞の働きが弱まると、ダメージを受けた構造を修復する力が落ち、シワが残りやすくなります。
乾燥と摩擦は、眉間のシワを「深く見せる」だけでなく定着させてしまう要因にもなります。眉間は皮脂の分泌量が多い部位ですが、表面はテカっていても内側は乾きやすく、気づかないうちにシワが目立つことがあります。乾燥が進むとバリア機能が弱まり、肌がごわついて硬くなります。す細かな乾燥ジワが出やすくなるだけでなく、表情を作ったときの折れ目も戻りにくくなり、眉間の線が残りやすくなります。
摩擦も同じくらい見逃せません。クレンジングや洗顔で力が入りすぎる、タオルで擦るように拭くなどの刺激が重なると、角質層が乱れやすくなります。角質層が不安定になると乾燥しやすくなり、肌がさらに硬く感じられて、細かいシワが目立ちやすくなります。
乾いて硬くなった肌は刺激に敏感で、摩擦のダメージも蓄積しやすい状態です。こうした状態が続くと肌のハリが落ち、表情筋によってできたシワを元の状態に戻す力が弱まり、眉間のシワが定着しやすくなります。また、花粉やアレルギーなどで目の周りや眉間をこするクセがあると、摩擦の刺激が重なってシワがより深くなる場合があります。
ボトックスとは、ボツリヌス菌由来のタンパク質(ボツリヌストキシン)を注射し、筋肉や汗腺のはたらきを一時的に弱める作用があります。美容医療では表情ジワ(眉間・額・目尻など)やガミースマイル、エラ(咬筋)の縮小による小顔効果、多汗症(わき・手足)の抑制、肩こり、ふくらはぎのハリ軽減などに効果があります。医療分野では痙縮(筋肉のつっぱり)、眼瞼けいれんなどの筋肉の異常な収縮、慢性片頭痛などに使われます。
ボトックスには、神経と筋肉(または汗腺)のつなぎ目で「アセチルコリン」という伝達物質の放出を抑え、筋肉の収縮を一時的に麻痺させる働きがあります。筋肉の過剰収縮を抑えて、眉間のシワの原因になる筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。ただし、神経機能は時間とともに回復していくため効果は永続ではありません。
ボトックス注射は、ヒアルロン酸のように“凹みを埋めて形を作る”のではなく、“動きを抑えてシワを作りにくくする”治療です。
眉間ボトックスは、皺眉筋や鼻根筋などの筋肉に注入し、筋肉の動きを一時的に弱めて眉間のシワを目立ちにくくします。皮膚にできるシワは、筋肉の過剰な収縮が繰り返されることで深く刻まれるため、筋肉の動きを抑えることで、無意識のうちに作られていた「表情のクセ」を解消します。
眉間ボトックスは注射した直後に効果がでる施術ではありません。数日かけて変化が出て、だいたい1週間前後には落ち着いてきます。持続期間は約3~6ヵ月です。
眉間ボトックスで「失敗した」と感じるケースは、大きく分けると「効果が弱い・効いていない」と「表情が不自然になる」の2つがあります。
「効果が弱い・効いていない」と感じる場合は、眉間のシワがあまり変わらない、表情を作るとまだシワができたりする状態です。原因としては、もともと筋肉の力が強いこと、注入量が足りないこと、注入する位置が狙いからずれていること、体質的に薬剤が効きにくい(抗体が関与する場合を含む)ことなどが考えられます。
一方「表情が不自然になる」ケースは、効き方が強すぎたり、効かせたい筋肉のバランスが崩れたりしたときに起こります。過剰な注入量や注入位置のずれによって、眉間や額の筋肉が動かしにくくなり、表情が固く見える、違和感があるといった印象につながります。
眉間ボトックスの後、「眉毛が下がった気がする」「目が重くて眠そう」「目が開けづらい」「目が小さく見える」「額が動かない」「眉が下がって不機嫌そうに見える」などの症状が出ることがあります。注入量や注入箇所を誤ったため眉間の動きが必要以上に抑えられ、眉を上げる側の動きが弱く出たり、逆に別の筋肉に力が偏ったりして起こります。
眉間ボトックス後に、まぶたの重さを感じることがあります。皺眉筋など眉間の筋肉に注入した際に薬剤が想定外に広がったり、注入量・位置が不適切だったりした場合、まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)が弱まることで発生するためです。もともと眼瞼下垂の傾向がある人は、眉を上げて目を開けやすくするおでこや眉間の筋肉の動きが抑えられ、重く感じやすくなります。
スポックブローは、眉尻だけがキュッと上がって、つり目っぽい、驚いたような表情に見える症状です。眉間や額の中央(前頭筋)にボトックスが効きすぎ、外側の筋肉とのバランスが崩れるために起こります。表情の癖が強い人ほど目立つことがあります。
注入量が少ない、注入箇所が適切ではない、シワが深い、眉間の筋肉(皺眉筋・鼻根筋)が非常に強いなどが考えられます。また、ボトックスは注入後すぐに効果が出るものではないため、施術直後〜1週間程度では十分に効果が出ていない可能性もあります。
また、すでに皺があって、しかめなくてもみえる皺には効果が少ないです。この場合は、他の注入剤(コラーゲンやヒアルロン酸)を皺に注入して浅くする必要があります。
眉間の寄り方、眉毛の高さ、目元の開き方などに左右差が出るケースです。 もともと顔は左右対称ではないので、ボトックスで動きが変わると、元からあった差が目立つことがあります。医師の技術不足や筋肉量の見極め不足により、片側の効きが強くでる場合や、筋肉の発達差、表情のクセの差などが重なることで左右差がでる場合があります。
仕上がりの問題だけでなく、内出血で青くなった、腫れが引かない、頭が重い、違和感が続くなど、体の反応が強く出ると「失敗した」と感じます。多くは一時的ですが、症状が強い、長引く、生活に支障があるときは我慢せず医師に相談しましょう。
施術直後から数日くらいは、左右差や違和感が出たり、赤みや腫れ、内出血などが出ることがあります。ボトックスの効果は通常、注入後すぐの違和感があっても、時間経過とともに馴染んで気にならなくなるケースがあるため、2週間程度は様子を見るようにしましょう。
また、自己判断で眉間やその周りを強く触ったり、マッサージをしたりするのは避けましょう。注入直後に圧をかけると、薬剤が想定外の方向へ広がる可能性があります。違和感があるときほど触って確かめたくなりますが、触る回数が増えるほど悪化する可能性があります。
眉間ボトックスが効きすぎた感じや表情の違和感、左右差などが気になる場合でも、ボトックスの効果は永久ではありません。一般的には時間の経過とともに代謝で少しずつ弱まり、3〜6か月ほどかけて自然に消えていきます。まずは、筋肉が元の状態に戻っていくのを待つという考え方があります。
ただし、注入直後は効き方が安定していないため、違和感があっても1〜2週間ほどで馴染んで気にならなくなるケースもあります。それでも改善が見られない場合や、目が開けにくいなど日常生活に支障が出ている場合は、早めに施術を受けたクリニックや担当医師へ相談しましょう。
ボトックスは、入れる量や打つ位置のわずかな違いで仕上がりが変わりやすい施術です。そのため、担当する医師に十分な経験があるか、症例の実績があるか、説明やカウンセリングが丁寧かといった点を事前に確認するようにしましょう。
カウンセリングでは、気になっている部位や、どんな雰囲気の仕上がりを目指したいのかを具体的に伝えることが大事です。当院では表情筋の動き方や皮膚の状態を見ながら、患者様のご要望に合わせて、適切な注入量や施術の間隔、自然な仕上がりをご提案します。
料金の安さだけで選ぶと、説明がないまま施術に進む場合があります。眉間は表情の中心で、ちょっとしたズレが不自然に見えやすい部位なので、カウンセリングで表情の癖を見ながら、打つ位置、注入量、深さの設計をしてくれる医師かどうか確認しましょう。
施術後も過ごし方で差が出ます。製剤がなじむまでの間は、強くこするようなマッサージは避け、激しい運動など血流が急に上がる行動も控えるようにしましょう。
眉間ボトックスの失敗例は、効果が弱い・効いていない、効きすぎて表情が固く見える、眉毛が下がる、目が重く見える、額やおでこのシワが目立つ、スポックブロー(スポック現象)で眉尻が上がる、眼瞼下垂のようにまぶたが下がって見える、といったケースです。
瞳そのものが小さくなるというより、まぶたの開き方や眉の位置関係が変わって「目が小さく見える」と感じるケースが多いです。違和感が強い場合は、早めに医師に相談しましょう。
表情の変化が出る場合があること、左右差や不自然さが出る場合があること、周辺部位のシワが目立つことがあることが挙げられます。副作用としては、赤み・腫れ・内出血などが出ることがあり、稀にまぶたが下がって生活に影響する反応が出る場合もあります。
眉間(皺眉筋・鼻根筋)を止めたことで、額の端(外側)の筋肉が過剰に働き、代償的に眉尻が引き上げられてしまうためです。
1952年(昭和27年)12月29日、長野県木曽福島町に生まれる。1967年(昭和42年)4月に長野県上田高等学校へ入学、高校在学中の1970年(昭和45年)8月から1971年(昭和46年)7月までアメリカ合衆国マサチューセッツ州ミルトン・アカデミー高校へ留学、同年7月に卒業した。1972年(昭和47年)3月に上田高等学校を卒業後、同年4月に東京大学理科三類へ進学。東京大学では医学を専攻し、1979年(昭和54年)3月に東京大学医学部医学科を卒業。