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「首にくっきりと線が入って戻りにくい」「触るとハリがなくなっている」「手と首は年齢を隠せない」など、首は年齢を重ねるごとシワが目立つのが気になってくる部分です。また、首元は意外と人の視線が集まりやすく、見た目年齢を左右する大切なパーツです。深く刻まれた横ジワや縦ジワ、細かく広がる「ちりめんじわ」が目立つと、老けた印象を与えてしまうこと。
顔のシワには気を使っていても、首のケアを忘れている人は少なくありません。
首の横ジワは、紫外線や乾燥による肌ダメージの蓄積で、肌の弾力やハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減少することで、皮膚の折り目によってできる年輪のように見えるシワです。広頚筋が衰えることで皮膚を支える力が弱まると、横ジワが目立つようになります。また、自分に合っていない高い枕で寝たり、スマホやパソコンを下向きで長時間使用するなど、首を曲げる動作が癖になることで、横ジワが定着しやすくなります。
加齢によって目立ってくる首の縦ジワは、ニワトリや七面鳥に似ていることから「ターキーネック」と呼ばれています。
首の縦ジワは、加齢や乾燥による肌のたるみや広頚筋の柔軟性や伸縮性が低下すると、首や下あごのたるみが進み、二重あごや首の縦ジワ、フェイスラインのたるみが目立つようになります。また首の皮膚の弾力も失われると、縦ジワがより深くなってしまいます。
加齢とともに、下あごから胸の上部にかけて広がる広頚筋がゆるみ、首や下あごのたるみ、二重あごや縦ジワが目立つようになってきます。広頚筋はフェイスラインを下に引っ張る働きがあるため、筋力が低下するとシワやたるみが進行し、より深く刻まれる要因になります。さらに、肌のハリを保つために必要なコラーゲンや、弾力を維持するために欠かせないエラスチンも年齢とともに減少し、肌の弾力が失われ首の皮膚がたるみやすくなり、シワが刻まれやすくなります。
首やデコルテは露出していることが多く、地面からの照り返しによって紫外線を浴びやすい部位です。紫外線は肌の老化を促進します。特に「UV-A」と呼ばれる紫外線は、肌の弾力やハリを支えるコラーゲンやエラスチンを破壊し減少してくると、肌のハリが失われ、たるみやすくなります。さらに、紫外線のダメージが蓄積されることで光老化が進み、首に深いシワができやすくなります。
長時間のスマホ使用やうつむき姿勢、首猫背は、首に負担をかけ、シワを深くする要因です。スマホやパソコン、デスクワークでの長時間使用でうつむき姿勢が続くと、首に折り目がつき、シワとして定着してしまいます。高すぎる枕やアゴを引くような姿勢も首のシワを深くする原因なります。
首は体の中でも皮脂腺が少なく、皮脂膜が十分に作られないため乾燥しやすい部位です。皮脂は肌を乾燥や外部刺激から守るバリアの役割を果たしますが、皮脂が少ない首は乾燥しやすくシワができやすくなります。
さらに、首の皮膚は顔よりも薄く、日頃のうなずきや前かがみの姿勢などの影響を受けやすいことも、シワが刻まれやすい要因の一つです。乾燥が進むと肌の水分量が不足し、ツヤや弾力が失われるため、シワがより目立ちやすくなり、老けた印象を与えやすくなります。
首のシワを予防するには、毎日の保湿ケアと紫外線対策、姿勢に気を付けることが大事です。顔と同じように、首にも日焼け止めを塗り、乾燥を防ぐ化粧水や保湿クリーム、美容液を使いましょう。スマホやパソコンを使うときの姿勢も意識し、首に負担をかけないように気をつけることが大切です。
また、首周りの血行を促進するために、オイルやクリームを使ったマッサージを取り入れるのも効果的です。ただし、肌を強くこすると摩擦が刺激となり、シワが悪化したり、くすみや色素沈着につながることがあるため、優しくケアすることを心がけましょう。
マッサージやスキンケアなどのセルフケアは、軽い首のシワには一定の効果が期待できますが、深く刻まれた首のシワや、早くシワを目立たなくしたい場合には、美容医療の検討をおすすめします。しわ取り化粧品や美容家電もありますが、効果には限界があり、中にはあまり変化を感じられないものもあります。
ヒアルロン酸を首のシワの部分に注入することで、皮膚の内側からボリュームを出して、シワを目立たなくする効果が期待できます。また、肌のハリや弾力がアップし、肌をなめらかに整えたりするなどの改善も期待できます。
ボトックスには、筋肉の動きを調整する神経伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑え、一時的に筋肉の働きを弱める作用があります。
加齢による広頚筋の拘縮が原因で縦ジワができた場合、ボトックス注射で筋肉の緊張を和らげ、収縮を抑えることで首の縦ジワを目立たなくすることができます。
ヒアルロン酸注入の効果の持続期間は低架橋で1~2カ月、高架橋で1年以上です。ボトックス注射は約3~6カ月間持続しますが、ヒアルロン酸もボトックス注射も時間の経過とともに体内に吸収されるため、効果を維持するためには、定期的に繰り返し行う必要があります。
ヒアルロン酸やボトックスの注入量が多すぎたり、注入部位を誤ると、仕上がりが不自然になったり、デコボコやしこりになる可能性があります。さらに、施術後に内出血や腫れが生じることもあります。
医師の技術や経験不足によって起こることなので、しっかりした実績や症例数があり、経験のある医師・クリニックを選ぶことが大切です。
ヒアルロン酸注入やボトックス注射は手軽に受けられる治療ですが、医師の技術が不足している場合があり、期待した効果が得られず、逆に仕上がりが不自然になるリスクがあります。エイジングケア治療を行うクリニックが増えていますが、すべての医師が十分な経験や知識、技術力を持っているわけではありません。施術の効果をしっかり得るためには、適切な部位への注入や量の調整が重要となるため、実績のある医師を選ぶことが大切です。症例写真や実績を確認し、複数のクリニックでカウンセリングを受けて慎重に選択するようにしましょう。
施術前には、ご自分の希望する仕上がりをしっかり伝えることが大切です。ご自身の症状を医師にしっかり確認してもらい、症状に合った製剤や注入部位や量を確認することが、自然で美しい仕上がりにつながります。
医師とのカウンセリング時には、リスクや副作用についても説明を受けて十分に納得した上で施術を受けるようにしましょう。
ヒアルロン酸はマッサージの刺激で位置が変わったり、分解されて早く吸収されるようになります。ボトックスも注射部位を揉んだり、強くこすったりしないようにしましょう。
また、注入直後は強いマッサージや圧迫を避けてください。
医師の指示に従って注入後の長時間の入浴、飲酒、激しい運動、サウナなどは控え、保湿をしっかり行いましょう。ヒアルロン酸やボトックス注射効果の持続期間は個人差がありますが、持続させるためには定期的なメンテナンスで、継続的に治療することで効果を長持ちさせることが可能になります。