ヒアルロン酸とボトックスの違いを解説、シワ解消にはどっちを選べばいいの?

ヒアルロン酸とボトックスの違いを解説、シワ解消にはどっちを選べばいいの?

ボトックスとヒアルロン酸にはシワやたるみ改善などに効果が期待できますが、ご自分の症状にはどの治療が合っているか、なかなか分かりにくく判断ができない方が多くいます。また、ボトックス注射とヒアルロン酸注入の治療の違いがよくわからないという方も多いでしょう。
シワの原因が「筋肉によるシワ」や「表情をつくると出るシワ」はボトックス注射、「肌のボリュームダウンによるシワ」「無表情でも残るシワ」はヒアルロン酸注入と言われています。
ボトックスとヒアルロン酸の働きと適応症状は大きく異なります。

肌にボリュームを出すヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸は元々体内に存在する天然の成分で、ムコ多糖類とよばれる栄養素の一種です。高い保湿力があり、コラーゲンやエラスチンとともに肌に潤いとハリ、弾力を維持する役割を果たし、肌の乾燥を防いでくれます。
加齢や乾燥、紫外線などの影響で、体内のヒアルロン酸は30代ごろから減少すると言われています。年齢に伴って減ってきたヒアルロン酸を肌に注入することで、肌にボリュームやハリを持たせたり、輪郭を整えたり、たるみやシワを内側から引き上げる効果があります。
ヒアルロン酸注入は、ほうれい線や目の下のクマ(くぼみ)、ゴルゴライン、こめかみの凹み、目元のシワ、口元のシワ、唇のボリュームアップ、首のシワの改善に効果を発揮します。それ以外では、フェイスラインやあごの形成、鼻を高くする、鼻筋を整える、おでこを丸くする、涙袋を作る、バストアップなどに効果が期待できます。

表情筋や筋肉に作用するボトックス注射

ボトックスは、ボツリヌス菌から抽出された「A型ボツリヌス毒素」を元に作られた薬剤です。ボトックスには筋肉を緊張させる神経伝達物質アセチルコリンの受容を阻害して、過剰に発達した筋肉を縮小させたり、筋肉を緊張させる動きを一時的に抑制させる働きがあります。
ボトックス注射はその働きを利用して、表情によってできるシワ(眉間、おでこ、目尻、鼻の付け根のシワ等)の改善に効果を発揮します。表情ジワ以外では、ワキ汗、手汗などの多汗症の改善、筋肉で太くなったふくらはぎを細くする、硬くなった肩こりの解消、筋肉で張っているエラを小さくして小顔にする効果、歯ぎしり・食いしばりの改善などがあります。

ヒアルロン酸とボトックスの違い

ヒアルロン酸ボトックス
作用肌にボリュームを出す筋肉の張りを緩和する
効果ほうれい線の解消
目元のシワ、首のシワの解消
頬がふっくらとさせる
涙袋を作る
鼻を高くする
目の下のクマを目立たなくする
唇に厚みができる
目尻や眉間のシワの解消
エラを小さくして小顔にする
ふくらはぎを細くする
おでこのシワの改善
アゴの梅干しシワの解消
ワキ汗、手汗の改善
効果が現れる時期注入してすぐ注入後2~3日
持続期間1~2年3~6ヶ月
リスク・副作用内出血
腫れ
アレルギー
不自然な凹凸
感染症
血管閉塞
痛み
赤み
腫れ
内出血
表情のひきつり

ボトックスとヒアルロン酸の効果の持続期間の違い

ヒアルロン酸は注入後すぐにシワや凹み、くぼみ、ボリュームダウンしている部位の解消の効果を感じられます。使用する薬剤が低架橋や高架橋で違いはありますが、低架橋で1~2か月、高架橋で1年以上は効果が持続します。
ボトックス注射は筋肉の動きを抑制するため、ゆっくりと肥大した筋肉を縮小させます。個人差がありますが、2~3日で効果が現れ、約3~6ヶ月間持続して時間の経過とともに徐々に減少していきます。
ヒアルロン酸注入もボトックス注射も、注入後は徐々に体内に吸収されるため、継続して効果を実感したい方は、定期的に繰り返し施術を受けることをお勧めします。

ヒアルロン酸注入とボトックス注射の効果のピークの違いは?

ボトックス注射の効果は、施術後3~4日で効き始め、10~14日ほどでピークに達します。
シワ治療の場合は、注射後2〜3日後に効果が出始め、約1〜2週間で効果がピークに達します。また、エラに注射する小顔治療の場合は、注射後1週間ほどで効果を実感し始め、注射後約1ヵ月程度で目に見えて実感できるような効果が現れてきます。多汗症の場合は、2~3日ほどで効果があらわれ、3~6ヶ月効果が持続します。
ヒアルロン酸注射の効果は施術直後すぐに実感でき、1~3週間程度の時間をかけて肌に馴染んでいきます。
ただし、上記はあくまで目安であり、部位や個人によっても差があります。

ヒアルロン酸注入とボトックス注射の痛みの違い

痛みの感じ方には個人差がありますが、ヒアルロン酸注入の場合、麻酔クリームを事前に30分程度塗るため痛みを軽減することができます。また、ヒアルロン酸製剤には局所麻酔が入っているものもあります。部位によって異なりますが、真皮の下層の脂肪組織への注入は痛みを感じないことがあり、通常はカニューレ(先が丸くなっている長い針)を使用するため、あまり痛みを感じません。
ボトックス注射の場合、表面麻酔をすることで注入時の痛みを軽減することができます。
ただし、注射の痛みは医師の技術力によって変わってくるので、施術前に医師の実績や経験を確認することをお勧めします。

ヒアルロン酸注入とボトックス注射のどちらを選べばいいの?

シワ治療には様々なアプローチがあります。ヒアルロン酸注入もボトックス注射もシワを改善する効果が期待できますが、治療を始める前にご自分のシワの症状が、体内のヒアルロン酸やコラーゲンの減少によるボリュームダウンが原因なのか、表情筋や筋肉の作用が原因なのか、シワの原因を正確に理解することが必要です。
ヒアルロン酸注入、ボトックス注射、またはそれ以外の適切な治療法を選ぶためには、信頼できる医師やクリニックを選び、事前に十分なカウンセリングを受けて、症状やお悩みについてしっかり医師と相談することをお勧めします。

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