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ボトックス注射は、エラの張り・顔のしわ・多汗症など、幅広い悩みに対応している美容医療で、ダウンタイムが少なく、注射のみで行える施術として人気があります。
ボトックス注射の効果がいつから出るのかについて気になっている方はとても多いです。シワ取りの目的で受ける場合もあれば、エラの張り、歯ぎしり、食いしばり、多汗症の解消を期待して施術を受ける場合もあります。ボトックスは注射だけで行う治療なので、比較的受けやすい方法として知られていますが、打った直後にすぐに変化が現れるわけではありません。神経から筋肉へ伝わるはたらきを弱めることで効き始めるため、実感までには少し時間がかかります。
だからこそ、シワにはどのくらい効くのか、エラボトックスや歯ぎしりの改善にも向いているのか、不自然な表情にならないのか、持続期間はどれくらいなのかなど、事前に確認したいことがいくつもあります。
ボトックスは部位によって実感しやすい変化や現れるまでの時間には違いがあります。施術を考えるときは、単に早く効くかどうかだけではなく、自分の悩みに対してどのような変化が期待できるのかまで含めて見ておくことが大切です。
ボトックスは、A型ボツリヌス毒素を有効成分とする医療用製剤です。神経から筋肉や汗腺へ伝わる刺激を弱めることで作用します。注射で患部に注入されたA型ボツリヌス毒素は、まず神経終末の受容体に結合して細胞内へ取り込まれます。その後、毒素の軽鎖がSNAP-25というたんぱく質を切断します。SNAP-25は、神経終末にある小胞が細胞膜と結びつき、神経伝達物質であるアセチルコリンを放出するために必要な分子です。ここが切断されると、アセチルコリンが放出されにくくなり、神経からの命令が筋肉や汗腺へ伝わりにくくなります。
この作用によって、表情筋に打った場合は筋肉の過剰な収縮が抑えられ、眉間や目尻、おでこなどの表情ジワが目立ちにくくなります。エラボトックスでは、咬筋のはたらきが弱まることでエラの張りや食いしばり、歯ぎしりの改善につながります。多汗症に対して使用する場合は、エクリン汗腺に対するコリン作動性神経の刺激が抑えられるため、発汗が減るようになります。
ボトックスは皮膚そのものを埋める治療ではなく、一時的に局所の神経伝達を調整することで症状をやわらげる治療です。
おでこのシワは、眉を上げたときにできる横ジワです。眉間のシワは、眉を寄せたときにできる縦ジワです。目尻のシワは、笑ったときや目を細めたときに広がる放射状の線です。見た目はどれも『シワ』ですが、動いている筋肉が違うため、悩み方もボトックスの打ち方も同じではありません。
おでこの表情ジワは、眉を上げる動きで使われる前頭筋の収縮によってできる横ジワです。まだ浅いうちは、驚いたときや目を見開いたときだけ線が出る程度ですが、表情のくせが強い方や、年齢とともに皮膚のハリが落ちてくると、無表情でもうっすらシワが残るようになります。おでこのシワは20代後半から30代に目立つようになって、30代後半以降には気にする人が増えてきます。
おでこのシワでよくある悩みは、表情が疲れて見える、老けて見える、不機嫌そうに見える、前髪を上げられないといった見た目のコンプレックスがあります。
おでこのボトックスは、この前頭筋の動きをやわらげることで、表情を作ったときに折れ込む力を弱めていきます。ただし、おでこのシワがかなり深く刻まれていて、無表情でもシワが目立つ場合は、筋肉の動きを抑えるだけではシワが完全に消えることが難しい場合があります。
眉間のシワは、眉を中央に寄せたときにできる「ハの字」や「11字」と呼ばれる縦線です。考えごとをしているとき、まぶしいとき、不機嫌ではないのに眉を寄せるくせがある方に出やすい部位です。怒って見える、きつく見える、真顔なのに不機嫌そうに見える、実年齢より老けて見えるという悩みにつながります。
早い方では20代後半から、一般には30代以降で「表情を戻しても線が残る」と感じ始めることが少なくありません。
目尻のシワは、笑ったときや目を細めたときに、目の外側に放射状に広がる線です。いわゆるカラスの足跡と呼ばれるものです。笑顔のときだけ出ていたのが、年齢と共に笑っていないときにも細い線が残ります。悩みとしては、笑うと一気に年齢感が出る、アイメイクがよれやすく見える、という方が多いです。
目尻のシワは、加齢のサインとして比較的早く気づかれやすく、多くの人が30代で気づき始めます。また、男性は女性より早く、深く出やすい目尻のシワが目立つことがあります。
多汗症、とくに脇汗の悩みは、服の脇部分がすぐに濡れる、汗ジミが気になって色や素材を選びにくくなる、人前で腕を上げづらい、においが気になってしまう、といった悩みがあります。
原発性多汗症は特定の基礎疾患がないにもかかわらず、気温の高さや運動などの外的な刺激とは無関係に、大量の汗をかくことがあり、10代〜思春期に発症しやすい傾向があります。学生の頃から制服の汗ジミが気になっていた方や、社会人になってからジャケットやシャツへの汗移りが気になり始めた方が、治療を検討されるケースも少なくありません。多汗症は気温だけが原因ではなく、緊張やストレスで汗が増えやすいこともあるため、季節を問わず悩んでいる方が多くいます。
エラ張りのお悩みは、単純に骨格だけが原因とは限りません。食いしばりや歯ぎしりの癖によって咬筋が発達し、フェイスラインが横に広がって見えているケースも少なくありません。フェイスラインが四角く見える、顔が大きく見えやすい、写真で輪郭が目立つ、フェイスラインが横に広く見える、左右差が気になるなど、悩んでいる方も多くいます。
とくに、以前より顔が四角く見えるようになった、奥歯に力が入りやすい、朝起きるとあごが疲れているといった自覚がある場合には、筋肉の張りが輪郭に影響していることがあります。
ボトックスは、筋肉の動きを一時的にやわらげる注入治療です。メスを使わずに行えるため、切開を伴う施術に抵抗がある方でも検討しやすく、施術時間も10分から15分程度で終わります。注射のみで完結するため、施術当日からメイクができる場合が多く、仕事や外出の予定を変更せずに受けやすい点が、ボトックスが選ばれる理由のひとつです。
額、眉間、目尻など、表情を動かしたときに目立つシワを解消できるのがボトックスの特徴です。たとえば、眉を寄せたときにできる眉間の縦ジワ、笑ったときに広がる目尻の細かいシワ、眉を上げたときに出る額の横ジワは、筋肉の収縮によって深くなります。ボトックスはこの動きを弱めることで、表情を作ったときのシワを出にくくします。シワそのものを埋める治療ではなく、シワが刻まれる原因になっている筋肉の動きへ直接アプローチします。
エラ張りに対しては、咬筋と呼ばれる筋肉へ注入することで、輪郭をすっきり見せます。歯ぎしりや食いしばりが続いて咬筋が発達している方では、下顔面が横に広く見えたり、フェイスラインが四角く見えたりすることがあります。ボトックスは、発達した筋肉の働きを弱めることで、エラの張り感を解消します。骨格を削るわけではないため大きな変化を一日で出す治療ではありませんが、切開せずにフェイスラインへ変化を出したい方に向いています。筋肉による張りをやわらげて輪郭を整えて小顔効果も期待できます。
ボトックスは汗を出す指令が伝わりにくい状態をつくるため、過剰な発汗を抑える働きがあります。脇ボトックス注射は、脇にボツリヌス菌由来の成分を注入し、汗腺を刺激する神経伝達を一時的に抑えることで、過剰な汗の分泌を軽減する施術です。打った直後に完全に止まるわけではありませんが、早い方では注射後2日から4日ほどで汗の量が減り始めます。2週間ほどで効果を確認しやすくなります。この時点で汗ジミができにくくなった、制汗剤の回数が減った、服選びが少し楽になったと感じる方が多いです。清潔感を保ちやすくなり、生活面では汗による不快感を減らしやすくなるため、見た目と日常の両方にメリットがあります。
ボトックス注射をした直後に、変化がすぐ現れるわけではありません。ボトックスは即効性のある治療ではなく、効果が現れるまでに少し時間がかかる施術です。
治療後すぐよりも数日後から少しずつ効き始め、1週間以内に変化を感じる方が多く、2週間ほどで安定してきます。
おでこや眉間、目尻などの表情ジワは、比較的早く変化を実感しやすく、2~3日で効果が現れ1〜2週間ほどで安定することが多いです。エラボトックスのように筋肉を小さく見せていく施術は、見た目の変化まで少し時間がかかりやすく、1ヶ月ほどかけて輪郭の変化を感じることがあります。
結婚式や撮影、会食など予定に合わせて受けるなら、前日や数日前ではなく、少なくとも2〜4週間ほど余裕を持って考えるようにしましょう。とくにおでこや眉間は、効き始めの段階と完成形で表情の見え方が少し変わることがあります。
ボトックスの効果の持続期間は、表情ジワでは3か月から6か月ほど続きます。ボトックスの効果は永久ではなく、数か月かけて少しずつ弱まります。そのため、次回の施術では前回の効き方を見ながら、注入量や注入部位を調整しやすい治療です。定期的に施術を受けることで、シワが深く入りにくい状態や、すっきりしたフェイスラインを保ちやすくなります。
ただし、同じ3〜6か月でも効果には個人差があります。筋肉の強さ、表情のクセ、皮膚の厚み、紫外線ダメージ、喫煙習慣、年齢による肌の弾力低下などで差が出ることがあります。
ボトックスは筋肉の動きを弱める治療のため、部位や効き方によっては、表情に違和感が出たと感じることがあります。
また、すべてのシワに向いているわけではありません。笑ったときや眉を寄せたときに目立つ表情ジワには適していますが、無表情の状態でも残っている深いシワでは、ボトックスだけでは十分な変化が出にくい場合があります。そのようなケースでは、ヒアルロン酸注入やコラーゲン注入のほうが合うこともあります。
ヒアルロン酸のように施術直後から変化を確認しやすい治療とは異なり、ボトックスは注射したその場で仕上がりを確認できません。注入後2日から3日ほどで少しずつ効き始め、数日から2週間ほどかけて変化がはっきりしてきます。
さらに、ボトックスは注入する位置がとても大切です。シワを和らげたい筋肉ではなく、別の筋肉に入ってしまうと、表情のバランスが崩れたり、動かしにくさが出たりすることがあります。部位によっては、日常生活で違和感につながることもあります。
ボトックスは注入後にすぐ元へ戻せる治療ではない点も注意が必要です。効きすぎたと感じた場合でも、その場で打ち消すことはできず、時間の経過とともに少しずつ神経の働きが戻るのを待つ必要があります。筋肉を動かす働きや汗を出す働きは、数か月かけて徐々に回復していくため、ボトックスの効果もゆるやかに弱まり、元の状態へ近づいていきます。
ボトックス注射はダウンタイムが少ない施術として知られていますが、まったく何も起こらないわけではありません。針を使うため、赤み、腫れ、内出血、圧痛などが一時的に現れることがあります。多くは数日で落ち着きますが、まれにアレルギー反応が起こる場合もあります。また、部位によってはまぶたが下がる、眉の形が左右で違って見える、笑い方に違和感が出るなどの副作用が出ることもあります。
ボトックスを打った後、気をつけることは、患部を強く触らないこと、マッサージを避けること、激しい運動を控えること、長時間の入浴やサウナなど体温を上げすぎる行動を避けることです。これは、注入した成分が意図しない場所へ広がったり、効果が安定しにくくなったりするのを防ぐためです。
ボトックス効果を、セルフで早く消そうとして患部を強くこする、自己判断でマッサージを行う、熱を入れて無理に変えようとする、といった行動はおすすめできません。思わぬ部位に作用してしまうことや、左右差が起こることがあるためです。もし効きすぎた感じがする、不自然な表情になった、眉間や目尻ではない場所まで動きにくい、腫れや痛みが長引く、といった症状を感じる場合は、自己処理ではなく、施術を受けたクリニックへ早めにご相談ください。
ボトックスは、入れる量や打つ位置が少し違うだけでも、仕上がりの印象に差が出やすい施術です。そのため、施術を受ける前には、担当する医師の経験や症例実績、カウンセリングが丁寧に行われているかを確認しておくことが大切です。
カウンセリングでは、どの部位が気になっているのか、どのような変化を希望しているのかを具体的に伝えることが重要です。たとえば、眉間のシワをやわらげたいのか、おでこの横ジワを目立ちにくくしたいのか、笑ったときの目尻のシワを自然に整えたいのか、エラ張りをすっきり見せたいのか、脇汗などの多汗症を抑えたいのかによって、注入する位置や量、考え方は変わります。当院では、表情筋の動き方や皮膚の状態、筋肉の厚み、汗の出方などを確認しながら、ご希望に合わせた注入量や施術間隔を見極め、できるだけ自然に見える仕上がりをご提案しています。
料金の安さだけで選んでしまうと、十分な説明がないまま施術が進むことがあります。眉間は表情の中心に近く、少しのズレでも不自然な印象につながりやすい部位ですし、おでこは効かせ方によっては重たい印象が出ることがあります。目尻は笑顔の見え方に関わるため、効き方が強すぎると表情のやわらかさに影響することがあります。エラ張りでは、筋肉の厚みや左右差を見ないまま注入すると、仕上がりのバランスに差が出ることがあります。多汗症では、汗の範囲や程度に合わせて注入部位を考える必要があるため、診察の段階で状態を細かく確認してくれる医師かどうかを確認しましょう。
施術後の過ごし方でも、仕上がりやなじみ方に差が出ます。薬剤が安定するまでは、注入部位を強くこするようなマッサージは避け、激しい運動や長時間の入浴、サウナなど急に血流が高まる行動も控えるようにしましょう。眉間、おでこ、目尻のような顔の部位だけでなく、エラ張りや多汗症への施術でも、施術後の過ごし方を守ることが仕上がりを整えるうえで大切です。
1952年(昭和27年)12月29日、長野県木曽福島町に生まれる。1967年(昭和42年)4月に長野県上田高等学校へ入学、高校在学中の1970年(昭和45年)8月から1971年(昭和46年)7月までアメリカ合衆国マサチューセッツ州ミルトン・アカデミー高校へ留学、同年7月に卒業した。1972年(昭和47年)3月に上田高等学校を卒業後、同年4月に東京大学理科三類へ進学。東京大学では医学を専攻し、1979年(昭和54年)3月に東京大学医学部医学科を卒業。