目の下のヒアルロン酸注入リスクとは?効果や失敗例、対策を解説

目の下のヒアルロン酸注入リスクとは?効果や失敗例、対策を解説

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目の下のヒアルロン酸注入リスクとは?

加齢に伴って目立ってくる目の下の黒クマやたるみ・くぼみは、自力での改善が難しいものです。目の下のたるみ、くぼみは加齢によって脂肪や骨が痩せることが原因で老けた印象を与えるだけでなく、目の下に影ができてクマに見えるようになります。
目の下のクマや小じわに悩んでいる方にとって、ヒアルロン酸の注入は短時間で効果を感じられる美容施術として人気があります。注射だけで自然に目元が若々しくなるイメージから「手軽に受けられる施術」と思われています。
目の下のくぼみにヒアルロン酸を注入することで、若々しい目元を手に入れる効果が期待できますが、目の下というデリケートな部位だからこそ、リスクや失敗の可能性もあります。注入量や位置によっては不自然な膨らみやしこり、凹凸が生じたり、内出血やチンダル現象などの副作用が起こる可能性があります。まれに失明の報告もあるため、正しい知識を持った上で検討することが大切です。

目の下のヒアルロン酸注入とは?

ヒアルロン酸は皮膚や関節に存在する成分で、水分を保持する性質を持ちます。目の下に注入することで、へこみを持ち上げてクマを改善したり、浅いシワを目立たなくさせたりする効果が期待できます。青クマや影クマなど、血行不良や加齢による凹みが原因のクマに対しても効果が期待できます。
また、注射だけで完結する施術であるため、切らずに治療できる点も大きなメリットです。施術後すぐに効果が見えやすく、ダウンタイムも比較的短いため、仕事や日常生活に支障が少ないことから幅広い層に選ばれています。

クマやシワ改善にヒアルロン酸注入が選ばれる理由

目の下は顔の中でも特に年齢のサインが出やすい部位です。コラーゲンや脂肪が減少して皮膚が薄くなると、クマや小じわが目立ちやすくなります。ヒアルロン酸注入はこうした変化に直接アプローチでき、ふっくらとした若々しい印象に導いてくれます。

施術の基本的な流れ

通常はカウンセリングで症状を確認し、麻酔クリームを塗布したうえで極細の針を用いて注入します。施術自体は10分〜30分ほどで終わります。ただし、注入層の選び方や注入量を誤ると、仕上がりが大きく変わってしまうため注意が必要です。

目の下のしわ、くぼみ、クマが気になる方へ。ヒアルロン酸注射で若々しい印象を手に入れる方法とは?

ヒアルロン酸は元々体内に存在する成分で、肌の水分や弾性を保持する役割があります。
ヒアルロン酸注入は、加齢によって減少する肌の弾力やハリを補い、顔のシワやたるみ、ほうれい線やへこみやくぼみを改善し、ボリュームのある若々しい印象を取り戻す美容治療です。目の下のくぼみにヒアルロン酸を注入すると、クマの影が薄くできる効果が期待できます。

ヒアルロン酸注入で失敗する原因

目の下のヒアルロン酸注入で膨らみすぎる原因は様々あります。

ヒアルロン酸の注入量が多い

一つは、ヒアルロン酸の量が多すぎるために膨らんだ場合があります。
目の下は皮膚が薄いため、少量のヒアルロン酸でも膨らみやすい部位です。そのため、必要以上のヒアルロン酸を入れると、目の下に凸凹ができたり、逆に老けて見えたり、笑ったときに膨らんでみえることがあります。ダウンタイムによる一時的な腫れの場合もありますが、ある程度経っても治まらない場合は、医師に相談することをお勧めします。

ヒアルロン酸の種類が合わない

もう一つは、ヒアルロン酸の種類が合わないことです。ヒアルロン酸には粒子の大きさや硬さも異なる様々な種類があります。目の下に適したヒアルロン酸は、皮膚に自然に馴染んで、仕上がりが自然になる粒子が小さくて柔らかいものがお勧めです。
基本的にヒアルロン酸の粒子の小さい・柔らかいものは早く吸収されるので、効果も早く消失します。粒子が大きいもの・硬いものは吸収されにくいため長持ちします。長持ちさせるために、粒子が大きくて硬いヒアルロン酸を使うと、皮膚に馴染まずにボコボコになることがあります。

ダウンタイムによる一時的な腫れ

腫れはダウンタイムによる一時的な副作用の可能性があります。ヒアルロン酸は親和性が高いため、施術後しばらくは水分を吸収して膨らむことがあります。 腫れていると、イメージよりも強調されて見えることがあり失敗したと思うかもしれません。しかし、施術後の腫れは数日から1週間程度で治まるので焦らずに様子をみましょう。

ヒアルロン酸注入後に失敗したと感じる原因

一度に大きな変化を求めて過剰に注入した

一度に大きな変化を求めてヒアルロン酸を過剰に入れ過ぎると、顔全体が不自然に膨らんでしまったり、特定のパーツだけが強調されすぎたりすることがあります。目の下は特にデリケートな部位で、ほんの少量でも見た目に大きな違いが出やすいため、注入量のバランスが重要です。量が少なすぎれば効果を感じにくく、多すぎれば膨らみすぎて不自然に見えることがあります。
また、中には「もっと大きく変わると思っていたのに…」と感じる人もいます。ご自分の理想として描いていた仕上がりとのギャップがあると、満足できずに「失敗」と受け止めてしまうケースも少なくありません。

医師の技術力の不足

ヒアルロン酸注入の仕上がりは、施術を行う医師の技術力によって大きく左右されます。ヒアルロン酸注入が失敗する原因に、医師の技術不足が挙げられます。適切な量を正しい位置と深さに注入できれば、自然な仕上がりとともに効果を長く維持できます。しかし、注入量が多すぎたり、狙うべき層や場所を外してしまったりすると、しこりや凸凹ができたり、左右のバランスが崩れたりするリスクがあります。

目の下(くぼみ)のヒアルロン酸注入のその他の失敗例

しこりができる・凸凹になる

注入したヒアルロン酸が皮膚の浅い層に入るとしこりやデコボコになってしまい目立ってしまいます。
しこりや凸凹は、経験の浅い医師が質の劣る製剤を使ったり、症状に合わないヒアルロン酸を注入したことが原因と考えられます。質の高いヒアルロン酸であれば、しばらくすると体内で自然に分解されますが、質の低いものは分解されずに硬くなって残ってしまうことがあります。さらに、知識や技術が不十分な医師による多過ぎる注入量や、適切でない深さに注入することもしこりの原因になります。

チンダル現象(青白く透けて見える)

チンダル現象は、ヒアルロン酸が皮膚の浅い層に入ってしまうと、透けて青く見えてしまう現象です。目の下は皮膚が最も薄い部位なので、ヒアルロン酸を正しい層に注入しないとチンダル現象が起こるリスクがあります。

内出血や腫れは一時的な症状

ヒアルロン酸注入では、注射針による腫れや内出血が生じる可能性があります。腫れは通常は数時間から半日ほどで、内出血は1~2週間治まります。治る気配がない場合や、内出血が悪化した場合は担当医師に相談しましょう。
内出血や腫れを軽くするためには、当日から数日間は冷やしタオルなどで優しく冷却することがお勧めです。ただし、強く圧迫すると形が変わってしまう恐れがあるので注意してください。また、血行を促進するような行為(激しい運動・飲酒・サウナ・入浴など)は腫れや内出血を悪化させる原因となるので避けるようにしましょう。

感染やアレルギー反応の可能性

ヒアルロン酸注射によるアレルギー反応は非常にまれですが、発生する可能性がゼロではありません。
施術を受けるクリニックの衛生状態によって感染が起きたり、アレルギー反応で腫れや赤みが長引くことがあります。また、ご自身の体質やアレルギー歴がある方は事前に医師に伝えることも重要です。

血管閉塞、失明のリスク

最も深刻なリスクなのは「失明」です。ヒアルロン酸が誤って血管に入ることで血管塞栓が起こり、血流が遮断されてしまいます。その結果、皮膚壊死や失明につながることがあります。発生頻度は極めて低いものの、完全にゼロではありません。

目の下(くぼみ)のヒアルロン酸注入で失敗しないために知っておきたいこと

目の下のヒアルロン酸注入を受ける前には、必ずクリニックや医師に相談してください。そして、自分に合った量や種類のヒアルロン酸を選んでください。

事前のカウンセリングで確認するポイント

施術前のカウンセリングは、失敗を防ぐために欠かせません。自分のクマの種類や原因を医師に確認し、副作用やダウンタイムについてもしっかり説明を受けることが大切です。また、仕上がりに不満が残った場合に修正が可能かどうかも事前に聞いておきましょう。目の下のクマに関する悩みや不安を十分に伝えられるかどうかも、信頼できるクリニックを選ぶ判断材料になります。

目の下に合ったヒアルロン酸を選ぶ

ヒアルロン酸には粒子の大きさや固さが異なる種類がありますが、目の下には柔らかくて小さな粒子のヒアルロン酸を使用することが望ましいですが、症状に合わせたヒアルロン酸を選択してくれるクリニック・医師を選ぶことが大切です。
柔らかくて小さな粒子のヒアルロン酸は、皮膚に馴染みやすくて自然な仕上がりになり、膨らみすぎやボコボコになりにくいです。また、適切な注入量で施術する必要があります。一度に多く注入すると、皮膚が引っ張られて膨らんだり、ヒアルロン酸が均一に広がらずにしこりになる可能性があります。

ヒアルロン酸注入後のケアも重要

ヒアルロン酸注入後は、長時間の入浴や飲酒、激しい運動、サウナの利用は控えるようにしましょう。血流や代謝を活発になると、腫れやむくみ、内出血が出やすくなる原因となります。数日はマッサージや強い刺激は避けるようにしましょう。ヒアルロン酸はマッサージや強い刺激によって位置が変わったり、分解されて早く吸収されるようになります。その結果、ボコボコやしこりができることや、効果の持続期間が短くなる可能性があります。
また、ヒアルロン酸は注入した直後は目の下の皮膚は薄いため、腫れたりむくみが出たりすることがありますが、この腫れやむくみは一時的なもので、個人差はありますが約1週間から2週間程度で自然に治ります。

注入する医師やクリニックをよく選ぶ

ヒアルロン酸注入は、注射だけでできる手軽な治療ですが、仕上がりの美しさや持続時間の長さなどは、医師の技術や経験で大きな差が出てきます。
目の下は皮膚が薄くてデリケートな部分であり、血管や神経も多く走っています。そのため、注入する位置や深さ、角度などを正確に把握しなければなりません。また、目の下の凹みやくぼみは個人差が大きく、原因や症状によって最適な治療法も異なります。そのため、目の下の構造やヒアルロン酸の特性を熟知している医師に相談することが重要です。目の下のヒアルロン酸注入を受ける前には、医師の実績や症例などを確認しましょう。またカウンセリングでは、ご自分の悩みや希望をしっかり相談して、医師から治療法やリスクなどを詳しく説明してもらいましょう。

目の下(くぼみ)のヒアルロン酸注入で膨らみすぎたら

目の下に注入したヒアルロン酸が不自然に膨らみ過ぎたと思っても、一時的に腫れている場合もあります。担当の医師に相談してまずは1~2週間は経過を見ましょう。
ただし、広範囲の内出血や腫れ、アレルギー症状、長期間腫れが引かなかったりする場合や、また希望したイメージ通りでなかった場合は「ヒアルロン酸分解注射」で除去することが可能です。

ヒアルロン酸分解注射(ヒアルロニダーゼ)の効果と注意点

ヒアルロン酸溶解注射は特定の部分のみを調整することはできません。理想のイメージにするためには、注入したヒアルロン酸を一度溶解し、その後改めて希望するイメージになるようにヒアルロン酸を注入する必要があります。

ヒアルロン酸注入後の他院修正

当院では膨らみが目立つところは、ヒアルロン酸分解注射(ヒアルロニダーゼ)でヒアルロン酸を分解をします。ヒアルロニダーゼだけではキレイに分解できなかった微妙な部分にはヒアルロン酸や、真皮へのコラーゲン注入で目立たなくします。また、目の下の笑う筋肉にボツリヌストキシンを用いて、動きを少し制限する場合があります。

目の下のヒアルロン酸注入はリスクを理解して選ぶ

目の下のヒアルロン酸注入は、若々しい目元を手に入れることができる治療法ですが、しこりや左右差、不自然なふくらみなどの失敗になる可能性もあります。失敗例の多くは、製剤の種類や注入量、患者の目元の状態に対する診断不足など、医師の経験や技術力不足に起因しています。
大切なのはリスクを正しく理解し、信頼できるクリニックと医師を選ぶことです。注入するヒアルロン酸の種類や量を適切に選ぶこと、注入後のケアをしっかり行うこと、カウンセリングで十分に確認を行い、ご自身の症状に合わせた最適な治療を提案してくれるクリニック・医師を選ぶようにしましょう。

目の下のヒアルロン酸注入のよくある質問

目の下にヒアルロン酸を入れるリスクを教えてください。

目の下に注入したヒアルロン酸の量が多すぎる、しこりができる、凸凹になるなど不自然な印象を与える可能性があります。また、浅い位置に注入するとチンダル現象が起こる可能性もあります。注射による内出血や腫れが生じるリスクもあります。

目の下のヒアルロン酸の効果はどのくらい続きますか?

ヒアルロン酸注入後、低架橋で1~2か月、高架橋で1年以上は効果が持続します。目の下のヒアルロン酸では、症状によって個人差がありますが、半年~1年ほど持続することが期待できます。

目の下のクマにヒアルロン酸を注入するとどうなりますか?

目の下にくぼみがあると、その部分に影ができてクマに見えてしまうことがあります。ヒアルロン酸は目の下のくぼみを埋める効果があるので、目元にハリを出してクマの影を薄くすることができます。

ヒアルロン酸を目の下に入れると膨らみますか?

目の下へのヒアルロン酸の注入量が多すぎると、膨らみができる可能性があります。またヒアルロン酸の種類が合わない、注入箇所が浅いなどが原因で凸凹になるリスクもあります。

ただし、ダウンタイムによる一時的に腫れて見えることもあるので、数日から1週間程度は焦らずに様子をみましょう。

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1952年(昭和27年)12月29日、長野県木曽福島町に生まれる。1967年(昭和42年)4月に長野県上田高等学校へ入学、高校在学中の1970年(昭和45年)8月から1971年(昭和46年)7月までアメリカ合衆国マサチューセッツ州ミルトン・アカデミー高校へ留学、同年7月に卒業した。1972年(昭和47年)3月に上田高等学校を卒業後、同年4月に東京大学理科三類へ進学。東京大学では医学を専攻し、1979年(昭和54年)3月に東京大学医学部医学科を卒業。

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