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「頬のたるみが目立つようになった」「フェイスラインがもたついてきた」「ほうれい線が気になる」と、年齢とともに頬のたるみやほうれい線が気になってきたという声は少なくありません。
頬のたるみが気になってきたり、フェイスラインがぼやけたり、ほうれい線や口元のマリオネットラインが目立ってくると、顔の印象がぐっと老けて見えるようになります。
頬のたるみや深くなったほうれい線は、顔全体の印象を左右し、実年齢よりも老けて見られる原因になります。どうして頬のたるみは起こるのでしょうか?
肌のハリや弾力を支えているコラーゲンやエラスチンは、年齢を重ねるごとに少しずつ減っていきます。同時に、頬や口元まわりの筋肉も衰えてくると、肌全体を支える力が弱くなり、弾力やハリがなくなってしまいます。肌は重力に逆らえずに下へ引っ張られていき、頬の位置が下がってたるみが目立つようになります。
紫外線は、頬のたるみやほうれい線など肌の老化に深く関わっています。中でも波長が長い「UV-A」は真皮層にまで届き、弾力やハリを保つコラーゲンやエラスチンを生成する線維芽細胞を破壊します。線維芽細胞が破壊されるとコラーゲンやエラスチンが増生できなくなり、肌を支える力が弱まり、頬のたるみを引き起こす原因になります。紫外線によるダメージが積み重なると「光老化」が進んで、シワやたるみが悪化してしまいます。
顔の表情を作る表情筋は、使わないと弱っていきます。無表情でいる時間が長かったり、リモートワークで人と話す機会が減って表情を動かすことが少なくなると、表情筋(顔の筋肉)が衰えてしまいます。筋肉が弱くなると、皮膚や脂肪をしっかり支えることができなくなり、頬の位置が下がってきて、頬のたるみが目立つようになってしまいます。
脂肪が増えることで重みが増し、その重みを支えきれなくなると皮膚がたるみやすくなります。特に頬は顔の中でも脂肪がつきやすい部位の一つで、加齢や運動不足、体重の増加などによって脂肪が増えると、徐々に重力の影響を受けて下に引っ張られてしまいます。
また、急激な体重の変化もたるみの原因になります。一度ついた脂肪が減っても、皮膚が元の状態に戻りにくくなることで、たるみがより目立つようになります。
乾燥によって肌のバリア機能が弱まると、外部からの刺激を受けやすくなります。肌のうるおいが不足すると、弾力を支えるコラーゲンやエラスチンなどの働きが低下し、ハリが失われて、頬がたるんでくるようになります。また、洗顔の時にゴシゴシこすったり、タオルで強く拭いたり、保湿が不十分なまま放置するなど、間違ったスキンケアもたるみを引き起こす原因になります。
頬の脂肪や筋肉は、年齢とともにコラーゲンやエラスチンなどのハリや弾力を保つ成分が減っていき、皮膚や皮下組織がゆるんで下がりやすくなります。さらに、顔の筋肉が衰えてくると、皮膚や脂肪をしっかり支えられなくなり、顔全体がたるんでしまいます。頬を持ち上げる力も弱くなるため、頬の位置が下がり、口元との間に段差ができて、ほうれい線がくっきりと目立つようになります。頬のたるみが進んでくると、ほうれい線もさらに深くなっていき、顔全体が老けた印象になってしまいます。
「ブルドッグ顔」は、顔全体が下がってフェイスラインがぼやけ、口元の横からあごにかけて皮膚がたるんで見える状態です。年齢や生活習慣の影響で、肌の弾力を支えているコラーゲンやエラスチンが減っていき、皮膚や筋肉がゆるみ、頬全体が重力に逆らえず下に下がってしまいます。さらに、顔の筋肉が衰えると、皮膚や脂肪をしっかり支えることができなくなり、たるみがより目立ってきます。頬のたるみが進むと、口元からあごに向かってできる「マリオネットライン」も深くなり、老けた印象が強くなってしまいます。
頬のたるみは、複数の要因が絡み合って生じます。日々の生活習慣やスキンケアを見直し、適切な対策することで、たるみの予防や改善が期待できます。
乾燥と誤ったスキンケアは、肌の質を悪化させるだけでなく、頬のたるみを進行させることになります。肌の乾燥を防ぐために、しっかり保湿しましょう。ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどは、保湿効果や肌の弾力を保つために有効な成分の含まれる化粧水や乳液、保湿クリームを使用し、肌の水分バランスを整えるようにしましょう。
毎日の紫外線対策は、肌の老化やたるみと同時にシミを防ぐために大切です。日焼け止めを選ぶ際には、SPF30、PA++以上のものを選ぶようにしましょう。UVAとUVBの両方をしっかりカットできるタイプがおすすめです。日焼け止め以外に、帽子や日傘、サングラスで紫外線からしっかり肌を守りましょう。
顔の筋肉をしっかり動かすことで、たるみを予防する効果が期待できます。意識的に顔の筋肉を使うようにすると、筋肉の衰えを防ぐだけでなく、脂肪がたまりにくくなったり、むくみが改善されることもあります。例えば、口を大きく開けて「あ・い・う・え・お」と声を出す運動や、頬をふくらませたり、すぼめたりするような動きが効果的です。
マッサージやスキンケアなどのセルフケアは、軽い頬のたるみには一定の効果が期待できますが、進行した頬のたるみや、早くたるみを目立たなくしたい場合には美容医療がおすすめです。しわ取り化粧品や美容家電もありますが、効果には限界があり、中にはあまり変化を感じられないものもあります。
ヒアルロン酸は、もともと私たちの体内に存在する成分で、皮膚の水分を保持したり、ハリや弾力を支える役割を担っています。しかし、年齢とともにヒアルロン酸の量は減少するため、肌のハリや潤いが低下したるみの原因になります。
気になる箇所にヒアルロン酸を注入することで失われたボリュームを補いながら、顔全体を引き上げることが可能になります。特にたるみの原因となるボリュームロスの部位に的確に注入することで、下がった頬を持ち上げ、シャープなフェイスラインを取り戻すことができます。
メスを入れるような外科的治療とは異なり、ヒアルロン酸を注射だけなので、ダウンタイムが比較的短く、忙しい方でも受けやすいのが特徴です。また、注入後はすぐに効果を実感できます。
ヒアルロン酸は体内に自然に存在する成分とはいえ、注射を用いた医療行為であるため、副作用のリスクはゼロではありません。稀に腫れや内出血、赤み、アレルギー反応といった症状が起こることがあり、また、ごく稀に血管を圧迫するなどのトラブルが起こる場合もあります。
ヒアルロン酸は種類によって持続期間が異なります。とてもやわらかいタイプだと1〜2カ月ほど、しっかりしたタイプでは1年以上、硬いタイプだと更に効果が続くこともありますが、体内に少しずつ吸収されていくため、効果を持続させるためには、定期的な施術を受けることが必要になります。
ヒアルロン酸を注入する際に、量が多すぎたり注入する場所が適切でないと、不自然な見た目になったり、デコボコした仕上がりやしこりができることがあります。
ヒアルロン酸は、注入する箇所や製剤の選び方、注入量の調整などには解剖学的な知識と経験、技術力、患者様のご要望をくみ取れるデザイン性などが求められるため、症例が多く信頼できる医師を選ぶようにしましょう。また、信頼できる医師と納得できるまでカウンセリングを受けて、判断するようにしましょう。