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年齢とともに手にシワが増え、甲にハリがなくなり、血管や腱が目立って見えるようになってきたと感じることはありませんか? 顔のスキンケアに気を付けている人でも、「手」のお手入れは意外に見落としがちです。手は常に使われており、手元は思っている以上に人から見られるパーツです。ふと物を差し出した時や、会話中のしぐさで手の甲のシワや乾燥、シミが目立ってしまうと、気になる人も多くいます。
手や指にシワができる、ハリがなくなる原因には加齢や乾燥、紫外線などさまざまな要素が絡んでいます。
手は顔と違って、日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘で守ったりすることが少ないため、一年を通して紫外線の影響を受けやすい部位です。紫外線は、肌の奥にある真皮層のコラーゲンやエラスチンを壊してしまい、肌のハリや弾力が失われていきます。紫外線を長年浴び続けることで起こる肌の変化は「光老化」と呼ばれ、シワやたるみ、シミの原因になります。
手の皮膚はもともと薄く、水分を保ちにくいため、シワが目立ちハリがなくなりやすい部位です。日常生活の中で手を洗う回数が多かったり、アルコール消毒や洗剤による刺激を頻繁に受けたりすることで、皮膚を守るための皮脂膜が失われやすくなり、乾燥しやすい状態になります。
肌の潤いが奪われると、角層のバランスが乱れ、キメが粗くなって小さなシワが目立つようになります。保湿ケアを毎日しっかり行わないと、肌の表面は徐々にざらつき、なめらかさや柔らかさが失われて、深いシワが刻まれてしまうこともあります。
加齢に伴って、肌のハリを支えている「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「エラスチン」が少しずつ減っていきます。これらの肌細胞(真皮線維芽細胞)成分は、肌の奥にある真皮層でクッションのような役割を果たしながら皮膚を内側から支えていますが、減少してくると肌の弾力やハリが失われ、細かいシワが目立ちやすくなります。
不規則な生活や栄養バランスの偏りも、肌の老化を加速させる要因のひとつです。皮膚の健康は、体内の栄養状態やホルモンバランスと密接に関連しており、ビタミンやミネラルが不足すると肌の再生がうまくいかず、シワができやすくなります。
たとえば、ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素ですが、これが不足すると肌にハリが出にくくなります。脂質や糖質の過剰摂取も皮脂の質を変化させ、乾燥やくすみの原因となります。
手のシワをセルフケアで改善するためには、「乾燥を防ぐ」「紫外線から守る」「皮膚の再生を助ける」など、日々の生活の中で小さな習慣を積み重ねていくことが大切です。特別な道具や難しい手順は必要ありません。ご自宅でできるやさしい方法をご紹介します。
手は家事や水仕事で潤いが奪われやすいパーツです。とくに手の甲は皮脂腺が少なく乾燥しやすいため、朝の出勤前、手洗いや炊事の後、就寝前などタイミングを決めてしっかり保湿クリームを塗ることをおすすめします。
ヒアルロン酸やセラミドなど保湿力の高い薬用ハンドクリームや、美容成分を含んだハンド用美容液など、肌の状態に合わせて選んでみてください。
顔には毎朝しっかりUVケアをしていても、手に日焼け止めを塗る習慣がある人は少ないのではないでしょうか。紫外線はシワの原因になる「光老化」を引き起こす大きな要因です。車の運転をする方や外出の多い方は、手の甲にじわじわと紫外線ダメージが蓄積されてしまいます。SPF・PAの表記があるハンドクリームやボディ用の日焼け止めを、手の甲にも塗る習慣をつけましょう。
手にマッサージやストレッチをすることで血行が良くなり、肌にハリやツヤが出やすくなります。指先から手首まで、オイルやクリームを使ってゆっくりとマッサージをしましょう。
冷えやすい方は、お湯で温めたタオルを使って手全体を包み込んでから行うと、血行がさらに促進されリラックス効果も高まります。ただし、力を入れすぎてゴシゴシこすると皮膚に負担がかかってしまうため、優しい力加減で行うことが大切です。
外側からのケアと一緒に、肌質を整えるには食事が不可欠です。バランスの良い食事は肌の再生力に大きな影響を与えます。ビタミンCやビタミンE、亜鉛、良質なたんぱく質は、細胞の再生やコラーゲン生成に必要な栄養素です。毎日の食事にフルーツや野菜、ナッツ、魚などを取り入れるようにしましょう。
セルフケアだけでは、深くなったシワやハリがなくなった手の甲を解消しようとしても、完全に解消するのは難しいでしょう。セルフケアだけでは改善できない手のシワには、美容クリニックでの治療をお勧めします。
ヒアルロン酸はもともと体内に存在する保湿成分のひとつで、皮膚に弾力を与え、肌のハリやみずみずしさを保つ役割があります。年齢とともに体内のヒアルロン酸の量は減少していき、乾燥や小ジワ、肌のボリュームの低下といった変化を引き起こします。
ヒアルロン酸を手の甲に直接注射することで、骨ばって見えやすい手の甲にふくらみを与えて、筋や血管の浮きが和らぎ、ふっくらとして若々しい手元にすることが可能です。また、表面の細かいシワも目立ちにくくなります。
手の甲は非常に皮膚が薄いため、ヒアルロン酸を注入した際に凹凸が目立ちやすい部位です。そのため、なるべく表面に不自然な盛り上がりが出ないよう、注入には丁寧な手技が重要になります。また、手の甲には指を動かすのに必要な腱が存在しているため、損傷しないよう細心の注意を払って注入を行う必要があります。
「手の甲」は皮膚が薄く、脂肪が少ないため、注入したヒアルロン酸がうまくなじまずに凹凸が生じるケースがあります。ヒアルロン酸の種類、注入量(たとえば片側1〜2ccが目安)、注入方法を誤ると、ボリュームが不自然になったり、思ったような効果が得られないことがあります。
過剰な注入はもちろん避けたいところですが、少なすぎる量だと十分な改善が見られず、再注入が必要になる場合があるため、医師の技術力と経験が仕上がりを大きく左右します。
ヒアルロン酸の効果は永続的ではありません。個人差はありますが、持続期間は半年〜1年程度になるため、効果を持続したい場合は定期的にヒアルロン酸注入を受ける必要があります。コスト面を考えると、長期的に治療を続けていくためには予算を検討することが重要です。
施術直後には軽い腫れや赤み、内出血が起こる場合があります。ダウンタイムは個人差がありますが、数日~1週間程度軽い腫れが続くこともあります。お出かけの予定や手元を見られるような場合には、施術日を調整するようにしましょう。
非常に稀ではありますが、使用する製剤に対してアレルギー反応を示す人もいます。また、誤って血管内に注入されてしまった場合、血流障害が起こる危険性もあるため、技術力と実績のある医師のもとで施術を受けることが大事です。
ヒアルロン酸は比較的安全な物質とされていますが、ヒアルロン酸注入は医療行為であることを忘れてはなりません。施術を受ける前のカウンセリング時には、使用する製剤の種類や施術の流れについてしっかり説明を受け、納得した上で施術を受けることが大切です。
注入する部位や量の調整などには、解剖学的な知識や技術力、経験と患者様のご希望する仕上がりなどを的確に理解し形にする力も求められます。そのため、症例数が多く信頼のおける医師のもとで、十分なカウンセリングを受けるようにしましょう。
1952年(昭和27年)12月29日、長野県木曽福島町に生まれる。1967年(昭和42年)4月に長野県上田高等学校へ入学、高校在学中の1970年(昭和45年)8月から1971年(昭和46年)7月までアメリカ合衆国マサチューセッツ州ミルトン・アカデミー高校へ留学、同年7月に卒業した。1972年(昭和47年)3月に上田高等学校を卒業後、同年4月に東京大学理科三類へ進学。東京大学では医学を専攻し、1979年(昭和54年)3月に東京大学医学部医学科を卒業。